
地力回復や向上が期待できるマメ科の緑肥作物です。根粒菌が空中窒素を固定し作物体に窒素が集積され、すき込むことで土壌が肥沃化します。アレロパシー効果による一年生雑草抑制も期待できます。藤色の花が咲き、景観美化や蜜源植物としても利用できます。
ヘアリーベッチには、細菌性植物病害を抑制する新たな特性があることが明らかになりました。ヘアリーベッチの地上部、地下部、根から土壌中へ放出される有機化合物(糖、アミノ酸、有機酸など)の抽出液をペーパーディスクに吸収させ、菌液を塗布した培地に置いたところ、根滲出液が他の部位と比較して最も大きい阻止円を形成することがわかりました。抗菌活性は根浸出液に認められることから、ヘアリーベッチを主作物の前作物としてすき込むだけでなく、主作物と同時に栽培するリビングマルチ利用や、果樹の下草としての利用でも、病害抑制効果が期待できます。現在のところ、5属7種の植物病原性細菌に対するヘアリーベッチの抗菌活性を確認しております。

千葉県にてヘアリーベッチを3月下旬に播種、6月中旬にすき込みを行いました。その後、キャベツを9月上旬に定植し、11月に調査したところ、無栽培区と比較して病斑数が少ない傾向が見られ、発病抑制効果が確認できました。

北海道にて、カボチャ定植の約1か月後にヘアリーベッチを畝間にリビングマルチとして播種しました。カボチャの収穫期には、ヘアリーベッチのリビングマルチ上の果実の病害発生率が低下する傾向が見られました。

ポット試験にて、ヘアリーベッチを約2か月間栽培後、茎葉および根を取り除いた土壌にトマトを定植しました。その後、トマト青枯病菌を接種して経時的に発病を調査したところ、ヘアリーベッチ栽培区で発病の遅延、枯死株率の減少が確認できました。
